ゴルフのバックスイングはゆっくりするべきか?メリットと練習方法を紹介
ゴルフのスイングでバックスイングが速い人を多く見かけます。バックスイングが速いと、メリットもありますがデメリットも多くあります。特に初心者や調子を崩している経験者はデメリットの方が多いのです。バックスイングをゆっくりとすることでどんなメリットがあるのか解説します。
バックスイングとテークバックの違い
ゴルフの話をしていると「バックスイング」という言葉と、「テークバック」という言葉を聞きます。まず、この二つの違いを明確にしましょう。
バックスイングとは
バックスイングはアドレスをしてからスイングのトップまでの動きの全部のことをいいます。バックスイングで注意する点は前傾姿勢が維持することと、スイングプレーンが守られていることです。バックスイングでスイングの全体が決まると言ってもよいでしょう。
テークバックとは
テークバックはバックスイングを始める時の始動部分のことを指します。ゴルフは止まっているボールを打つので、テークバックは簡単だと思うかもしれません。しかし、このテークバックによってバックスイングが決まります。
プロゴルファーでもショットの前にこのテークバックを何回か繰り返した後にショットをしている人も多くいます。プロゴルファーでもテークバックを正しくするようにショットの前に体に覚えこませているのです。
テークバックからバックスイングまでの動き
テークバックとバックスイングをする時にどのような動きがあるのか解説します。ただし、この動きには、理論によって色々と違いがあります。違いがあることを理解して自分にあったバックスイングを見つけてください。
コックのタイミング
コックとはバックスイングの中で手首を折る動作のことを言います。バックスイングと連動して行われる動作で、非常に重要な動きの一つです。
手首を曲げるコックのタイミングにはアーリーコック、レイトコック、ノーコックという3つの種類があります。それぞれについて簡単に説明しましょう。
アーリーコック
バックスイングで腕が地面と平行になったときにコックが完成させる方法です。この時にクラブは地面と垂直になっています。つまり90°のコックをバックスイングの早い時期に完成してしまう方法です。
レイトコック
バックスイングでトップに近づいてからコックをする方法です。コックを最後に行うのでスイングアークが大きくなります。
ノーコック
バックスイングでコックをまったくしない方法です。体の回転だけで打つ方法です。ただ、切り返しの時に自然にコックが入ります。
どのコックが良いのか
どのコックが良いかを一概に決めることはできません。それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分が打ちやすいコックの方法を探すことをお勧めします。推奨として、コンパクトなスイングをしたい人はアーリーコック、飛距離を気にする人はレイトコックが良いでしょう。
腰と腕の連動
バックスイングでは腰の回転と腕の連動が重要です。悪い例は手だけでクラブを上げてしまうことです。腰や肩は正面を向いたまま手だけがバックスイングをしてしまい、体の捻転ができていない状態になります。
バックスイングのテークバックの時に、手だけでテークバックをするのではなく、腰を中心に回転させてテークバックをすることが重要です。
トップの位置
クラブを持って真っすぐに立ってください。自分の正面でクラブを握り、そのまま腕が地面と平行になるように、クラブは地面と垂直になるように構えてください。
そのまま腰を回転させて体を捻ってください。この時に左足のかかとを上げても構いませんので腰が45度になるように回転します。その状態で前傾姿勢を作ります。この時の手の位置がトップの位置になります。
それぞれの動きを連動したものがバックスイング
テークバックから始まって、クラブが腰の辺りにきて、コックが入り、そのあとトップになるまでの動きはスムーズに流れなければなりませんが、チェックポイントが多くあります。そして、そのポイントを頭ではなく、体が覚えていないと自然な動きにはなりません。
バックスイングのメリットとデメリット
プロゴルファーの中でもバックスイングの速さはバラバラです。とても速いプロもいれば、ゆっくりと上げるプロもいます。もちろん、プロですからたくさんの練習の中から自分にあったスイングの速さを見つけています。
速いバックスイング
バックスイングが速いとトップからの切り返しで反動を使いやすくなるので、飛距離を出しやすくなります。一方、体幹がしっかりしていないと、スイングのブレが出やすくなるので安定したボールが打てなくなります。
ゆっくりとしたバックスイング
ゆっくりとクラブを持ち上げて行くので、手打ちの防止につながります。また打ち急ぎがなくなるので安定したボールを打つことができます。しかし、体の反動を使えないので飛距離はやや落ちます。また、バックスイングがゆっくり過ぎるとスイングの途中で色々と考えてしまい、上手く打てなくなることもあります。
バックスイングの速さの基準の作り方
ダウンスイングではヘッドスピードの速い、遅いという基準はありますが、バックスイングではスピードの基準はありません。テークバックからトップまで何秒かかるかは人によって異なりますし、個人の感覚が大きく影響します。
普段、練習で打っているテークバックの速さを確認してください。バックスイングのスピードを途中で変えることはなかなか難しいので、テークバックの速さがそのままバックスイングの速さになります。
自分の普通のテークバックに比べて、少し速いテークバック、少し遅いテークバックを素振りで試してみてください。速すぎたり、遅すぎると素振りが難しくなるのがわかりますので、自然に素振りができる範囲でテークバックの速さを変えてみてください。これで速い、ゆっくりの感覚がわかるはずです。
ゆっくりとバックスイングをするポイント
初心者や調子を崩している人はゆっくりとしたバックスイングを心がけるようにしましょう。これで手打ちや打ち急ぎがなくなり、安定したスイングができるようになります。ゆっくりとバックスイングをする時のポイントを紹介しましょう。
テークバックをゆっくりと引く素振り
テークバックはバックスイングで構えた場所からヘッドが30センチ程度動くまでの動きのことです。このテークバックでヘッドが急角度であがってしまうことがあります。疲れてきたり、腕だけでテークバックをするとこの現象が起きやすくなります。
この現象を防ぐためには、テークバックをゆっくりと、真っすぐ後ろに引くようにしてください。この時に注意する点は頭を右方向に動かさないことです。腰と肩の回転をさせながら真っすぐ後方にヘッドを引いてください。そして、クラブのシャフトが地面と平行になるまで腰と肩を回転させます。この動きを素振りとして数回繰り返してください。
素振りというとダウンスイングを中心に考えがちですが、テークバックの素振りもやるようにしましょう。
テークバックの素振りをルーティンにする
スイングが安定していない人はこのテークバックの素振りをルーティンのひとつにしてしまいましょう。スイングが安定しない大きな理由の一つがバックスイングのリズムが安定していないことです。
ドライバーなど飛ばしたいときや林の中に入れてしまってボールを出したいときなど、力が入りやすいときや緊張するときはリズムが速くなってしまいます。テークバックの素振りをすることでリズムを維持できます。
テークバックをした後のバックスイングは考えすぎない
テークバックをゆっくりと慎重に行ない、クラブシャフトが地面に平行になったら、その後のトップまでのバックスイングは同じリズムで上げていきます。この時にあれこれと考えてしまうとリズムが崩れてしまうので、できるだけ考えすぎないようにしましょう。
まとめ
ゆっくりとバックスイングをすると安定したスイングができることをお判りいただけたと思います。そして、その方法と注意点を説明しました。
普段、練習場で練習をしていると、飛ばしたいという意識から徐々にバックスイングが速くなってしまうことがあります。また、ラウンドで後半になって疲れてくると同じようにバックスイングは速くなりがちです。
練習やラウンドで「バックスイングが速くなっていないか?」というチェックポイントを作るだけで効果があがりますので、是非試してみてください。